アンカードルモンは、フランス語で「額縁に入れること」を意味します。絵や版画などをより魅力的に見せるために、マット部分をさまざまな技法によって装飾します。
フランス独自の基本技法は約30種類ほどあり、どの技法を使い、どんな色合わせにするかによって作品のイメージが大きく変わります。
作品に奥行きを出すこともできるので、立体物を額装できることも大きな特徴。
思い出の品物、お気に入りの写真、赤ちゃんのファーストグッズなど、あらゆるものが額装でき、「オンリーワンのアート作品」に生まれ変わります。
フランス額装(アンカードルモン)の魅力は、まさにオートクチュール感です。
なんでもないポストカードですら、アート作品に変えることができます。
どんな洋服を選び、どんなアクセサリーをつけようかとワクワクしながら考えるのと同じ感覚。
ずっとしまいこんでいたお気に入りのポストカードに、技法や紙を選び、フレームをつけていくのは、考えるだけでも楽しくて、仕上げにガラスをつけると作品の表情がグンと引き締まります。まさに心豊かさを感じる瞬間です。
大好きなパリに暮らしてみたくて、当初は半年の予定で渡仏。友人が通っていたアトリエで、アンカードルモンと出会いました。
初めは、ただただ楽しく、パリの思い出にという気持ちでアトリエに通っていました。ところが、創作活動をしているうちに、アンカードルモンの素晴らしさ、奥深さにふれ、しっかりと本格的に学びたいと決心し額装学校へ…。そして、国家資格であるC.A.Pを取得し、日本でこの楽しさを伝えたい!ということが目標となりました。
その結果、フランス滞在は半年だった予定が、4年7カ月にも及ぶことになります。
このアンカードルモンとの出会いは、私の今後の人生を心豊かなものに変えてくれました。
フランス額装家 光山 祥子(C.A.P. Encadreur)
アトリエ "La Boîte à Cadre" 兵庫県芦屋市